Bリーグの開幕節で、横浜ビー・コルセアーズに連敗を喫したキングス。久しぶりのホーム連敗に肩を落としそうになるが、次の試合はすぐやってくる。
昨季、EASLファイナル4でキングスの決勝進出を阻んだ、桃園パウイアン・パイロッツとのEASL開幕戦。勝利してリーグ戦にも弾みをつけたいが…
横浜BC戦の観戦メモはこちらから


試合前メモ
試合前に考えていたこと、注目していたポイント、チームや選手への期待をまとめました。専門的な展望ではなく、一バスケファンとしての率直な思いや視点を綴っています。
- ベンチ登録メンバー
EASLでは、外国籍選手登録は2名に制限されるため、ベンチ登録される外国籍選手の組み合わせも重要になってくる。また、外国籍選手が1名外れるため、横浜BC戦でベンチ外だった日本人4選手のうち1選手をベンチ登録することができる。インサイドの選手層を考えるとウィタカケンタが登録されると思われるが、桶谷HCがどのような判断を下すか注目だ。 - 連敗からのBounce Back
横浜BCとのGame1で出た課題をGame2でも修正できずに、ソフトな立ち上がりをしてしまい、横浜BCにペースを握られ敗戦してしまった。
シュートは水物であるが、ディフェンス時のコミュニケーションやリバウンドへの意識など、短い時間で修正できる点はある。
過去4年で残した実績はあるが、このチームでは何も成し遂げていない。常に挑戦者の気持ちで戦うことが、自分たちのバスケを取り戻すカギになるだろう。 - 日本人選手の活躍
外国籍選手のベンチ登録が2名と、Bリーグに比べ外国籍選手の人数が減るため、日本人選手が担う役割も自然と大きくなる。Game2では岸本隆一がチーム最多の21得点と気を吐いていたが、岸本以外の日本人選手の活躍にも期待したい。
特に、Game2不完全燃焼だったであろう、脇真大と佐土原遼に注目だ。
試合結果
| 琉球 | Q | 桃園 |
| 25 | 1Q | 25 |
| 20 | 2Q | 24 |
| 15 | 3Q | 27 |
| 20 | 4Q | 18 |
| 80 | FINAL | 94 |
観戦ひと口メモ
試合を観ながら感じたこと、印象に残ったプレーを“ひと口メモ”としてまとめました。専門的な分析ではなく、一人のバスケファン、キングスファンとしての素直な感想や気づきを綴っています。
桃園
- トランジション走りまくる
キングスが、セットプレー中心のスローペースのオフェンスを展開するのとは正反対に、とにかく前に走りまくるトランジションオフェンスを展開。キングスはこの試合、カークとクーリーが同時起用される時間帯も多く、この2人がディフェンスセットする前に攻め切ることで、イージースコアに繋げていた。 - アテンプトは少ないが、決めきる3P
3Pのアテンプトは控えめだが、しっかりオープンを作って、良いリズムで打てているので、確率は50%を超える高確率。特に、キングスのカークとクーリーの敏捷性の低さを狙い、ワイドオープンを作っていたのはキングスとしてはきつかった。
キングス
- 【急募】集中力の見つけ方
試合を通して、集中力を欠いた状態が長かった。ディフェンススイッチした後のマークマンから目を切ったり、ボールから目を切って簡単にパスを通されたり…
オフェンスでは、失点につながる不用意なターンオーバーや我慢が必要な時間帯に、セルフィッシュでタフショットを放ったり…
開幕戦から集中力の継続と切れた時の再集中が課題。 - ディフェンスにプライドを
キングスはスイッチディフェンスを多用するチームで、スイッチすること自体はチームスタイルの一部で悪いことではない。ただし、スイッチやローテーションのディフェンスルールがチーム内で確立・浸透・徹底されていることが大前提である。
開幕3戦を振り返ると、通常のスクリーンやゴーストスクリーンを仕掛けられた際にローテーションミスが目立ち、ワイドオープンショットを許したり、ペネトレイトをされる場面が多くあったことから、ディフェンスルールが十分に浸透しているとは言えない。
また、特に気になるのが、1対1でのディフェンス強度の低さ。スイッチディフェンスを前提としているからなのか、ピックが来なくても1対1で簡単に破られ、ペネトレイトを許すシーン、ヘルプディフェンスありきと感じれれるディフェンスを見ることも少なくない。
チームディフェンスが確立できていない今こそ、マッチアップする相手をスイッチやヘルプに頼らず、1人で守り切るという気持ち(プライド)の感じられるディフェンスが見たい。 - ハマらなかった采配
この試合のベンチ登録は、崎濱秀斗とケヴェ・アルマが外れ、横浜BC戦ではベンチ外だった平良彰吾とウィタカケンタがベンチ入りを果たした。
前半は、ローのファウルトラブルでカークとクーリーを同時起用する時間も長く、スペーシングでは苦労し、ディフェンスでは足を狙われ走られてしまった。
後半では、3BIGを多用したが、これもオフェンス面でのプラスよりも、ディフェンス面でのマイナスを強調する事態に。特に3Qの入りを3BIGでスタートしたが、その後約6分も3BIGを起用し続けたことで、3選手のプレータイム配分が崩れ、疲労によって集中力やプレーの質の低下を招いたと考えられる。
#2 小針幸也
後半、点差が離れてもなお、前からプレッシャーをかけていたのは印象的で、今のキングスに必要なメンタリティだと思う。
トランジションでローのダンクを演出したのはGOOD。
#4 ヴィック・ロー
笛に対してフラストレーションを抱えるのは仕方がないが、テクニカルファウルをコールされ、ファウルトラブルに陥るとゲームプランも大きく狂うので、我慢してほしかった。
責任感の裏返しだと思うが、オフェンスが上手くいかない時間帯にセルフィッシュになって、タフショットを打つのは控えてくれないと…
後半、ほぼ出ずっぱりだったのも影響していると思うが、ディフェンスのインテンシティと集中力が低く、気持ちが切れているのかと感じた。
#8 佐土原遼
ベンチからの出場。
トランジションを走ったことで、良いアシストもあった。トランジション走ってくれるのは本当に偉い。
ただ、せっかくトランジションで走っても、最後のフィニッシュでブロックされては勿体ない。フィニッシュのところで拍を外したり、ステップで揺さぶったり、決めきる”工夫”を期待している。
カークとクーリーとの同時出場はスペーシングの問題で、佐土原の良いところを引き出しにくい。リーグ戦ではストレッチ可能なローやアルマとの起用を中心に考えてほしい。
プレ初戦で佐土原の長所が存分に出ていたのは、インサイドで陣取るクーリーが不在で、インサイドに広いスペースがあったからというのもあるだろう。
#10 荒川颯
20点差離れたところから最後14点差で終えられたのは荒川のおかげ
EASLは得失点差もあるし、今季はグループ内順位だけでなく、全体順位もファイナル6の組み合わせで重要になってくる。
#14 岸本隆一
1Q連続3Pや後半にもワイドオープンをしっかり決めきっていて、スポルティング製のボールに慣れるの流石。(bjリーグではスポルティング製が使用されていた。)
#15 松脇圭志
松脇の外に当たりが出ないと、当分は苦しい戦いを強いられると思う。
オフェンスでは、オフボールスクリーンをかけたり、セットの中で動きながらボールをもらうことが多いけど、一度、シュートだけに専念してスポットシューターとしてシュートタッチを呼び起こしてほしい。
#18 脇真大
何か遠慮しているように感じる。脇の良いところは、良い意味で遠慮を知らないところだと思うで、遠慮せずにプレーしてほしい。オフに練習したシュートを見たい気持ちもあるが、脇の一番の強みであるドライブで、再び実力を証明してほしい。
#34 小野寺祥太
1Qのクーリーからパスをもらってアリウープand1は痺れた。
小野寺は比較的ワイドオープンを作れているので、3Pの精度を上げていきたい。
#45 ジャック・クーリー
クーリーとカークの同時出場はハマれば強いが、そうでなければ弱点として積極的に突かれてしまう諸刃の剣。特に、ディフェンス面でスイッチを多用している現状では、スピードやストレッチのある相手にマッチアップしなければならないので、体力的にも削られてしまう。
体力が削られると、普段なら決めて当たり前のシュートを必要な場面で落としてしまうこともあるので(この試合でもあった)良い解決策を見つけたい。
#47 平良彰吾
前半、なかなかディフェンス強度が上がらない中、平良はよく頑張っていたと思う。
キックアウトからのコーナー3Pも決めきっていたし、Bリーグ開幕の横浜BC戦でベンチ登録されていなかったのを疑問に感じるくらいだ。
#53 アレックス・カーク
クーリーとの同時起用は我慢の時間帯だった。
開幕戦からフィニッシュが軽いのが気になっている。せっかくオープンでボールをもらったのに、体を当てずにシュートを打って、ブロックされるとか…一番得点期待値が高いシュートなので、確実にスコアに繋げてほしい。
DNP
ウィタカケンタ
後半のスタートで3BIGを6分ほど引っ張った後に、1~2分でもウィタカを起用して、カーク、クーリー、ローの休む時間を作るべきだったと思った。試合強度、展開的に起用できなかったというなら、なぜウィタカをベンチ登録したのか質問したくなる。
まとめ
同会場で行われていた、宇都宮ブレックスvs富邦の試合が延長に入り、試合開始予定時刻から50分遅延したが、それは負けた言い訳にはならない。
リーグ戦と試合球が異なることも負けた言い訳にはならない。
EASL特有の笛基準も負けた言い訳にはならない。
この敗戦は、キングス自身が招いたもの。
自分たちのプレーが”ほんとうに”全力だったか。
沖縄アリーナで見せても恥ずかしいものではなかったか。
選手一人一人が振り返って、考えて、次のアルバルク東京戦に臨んでほしい。

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