【つぶやき】B.PREMIERに思うこと①

Bリーグ
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乱立するアリーナ。夢のアリーナとは何か

Bリーグは、リーグ設立当初から「夢のアリーナ」の整備を掲げており、新リーグ構想では参入条件として、5000人規模アリーナの優先利用権、そして平均入場者数4000人以上(売上規模によっては3000人以上)が加えられた。

では、そもそも「夢のアリーナ」とは何なのだろうか。

琉球ゴールデンキングスの元社長で、沖縄アリーナの整備に尽力した木村達郎氏の言葉を借りるとすれば、それは「観るための施設」である。これまでの「競技者のための施設=体育館」とは異なり、V.I.Pルームや専用同線を備え、より高いホスピタリティを提供する。観る人を中心に考えた空間こそが「夢のアリーナ」であり、ソフト・ハード両面でトップレベルを目指す、B.PREMIERには欠かせない重要なポイントだと感じた。

ところが、当初想定されていた「クラブ数上限18(最大24)」が撤廃されたことで、アリーナ整備をめぐる問題も浮き彫りになってきている。本来、アリーナ建設は「すでに満員で収容力が足りない」あるいは「より高いホスピタリティを提供するため」といった明確な必要性に基づいて進められるべきだ。ところが現実では、無料招待による観客動員や、B.PREMIER参入そのものを目的としたアリーナ建設や整備計画が乱立しているように見受けられる。

特に、民設民営ではなく、公設で計画を進める場合にはリスクが大きい。税金で建設・維持管理するため、地域における必要性を十分に示せなければ、完成後、思うような稼働率を見込めず、赤字運営となり、地域にとっての「負の遺産」になる可能性がある。実際問題として、ここ最近では税金の使い方に対する市民の目は厳しく、Bリーグ同様、クラブライセンスに施設基準が含まれているJリーグのスタジアム整備をめぐっては、「ライセンスを盾に行政に負担を強いるな」といった批判も一部で出てきている。

一方で、同じ税金(防衛省予算)で建てられたアリーナであっても、キングスのホームアリーナ「沖縄サントリーアリーナ」は、行政や地域に過度な負担を強いるケースとは異なることは明言しておきたい。
キングスは、bjリーグ時代から毎試合のように満員となり、既存の体育館では収容しきれない状況が続いていたことからも、アリーナ整備の必要性は明らかだったのである。キングスは2009年にアリーナの建設を公言し、その後の計画には設計段階から深く関与。「観るための施設」という視点を徹底的に重視し、バスケットボールワールドカップでは開催地にも選ばれた。
つまり、長年の需要(必要性)に基づいたアリーナ計画であり、B.PREMIER参入だけを目的とした整備ではなかった。さらに、沖縄サントリーアリーナはキングスの関連会社が管理を担っているが、ここ2年は指定管理料を返還するほど黒字運営ができている。アリーナがある地域にとってもプラスになっていると言えるはずだ。

とはいえ、全体的に参入することがゴールになってしまった感の否めないB.PREMIERでは、建設されるアリーナ全てが沖縄サントリーアリーナのように黒字運営することは難しい可能性がある。計画を進めるリーグとクラブは直面する課題に対して、どのような解決策を示すのかが問われている。

 

次作、「戦力均衡とは何を指すのか」「選手とリーグの溝」「間違いなくある”新B.PREMIER構想”」編に続く。(いつ書き終わるかは未定。)

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