【観戦メモ】South East Melbourne Phoenix 戦

25-26

昨年のイタリア遠征に続いて、今年はオーストラリア遠征。
「沖縄を世界へ」を掲げるキングスにとっては、世界に「琉球ゴールデンキングス」の存在をアピールできる貴重な機会で、選手としてもBリーグでは味わえない「高さ・強度・笛」を体感できる良い機会。

今回の遠征では現地、NBL所属のクラブと2試合組まれており、初戦の相手はSouth East Melbourne Phoenix。

 

試合前に注目していたこと

  • 高さへの対応
    昨季はリバウンド数Bリーグ1位だったが、今季は平均身長が最も低い。
    リバウンドが楽に獲れない環境にどのように対応するか。
  • 笛への対応
    Bリーグでは吹かれない笛も、環境が変われば吹かれる。
    EASLが控えるキングスにとって、試合内での笛への対応は不可欠。
  • クーリーの初実践
    昌原LG戦はAmericaCup出場の影響で欠場していたクーリーのコンディションや新加入選手との相性に注目。

 

試合結果

琉球 Q SEM
12 1Q 26
21 2Q 25
16 3Q 21
26 4Q 18
75 FINAL 90

Stats-NBL.com.au

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観戦ひと口メモ

試合を観ながら感じたことや、印象に残ったこと、起きた事象について、”ひと口メモ”として記載。

 

SEM

  • 「高い」というより「長い」
    ウィングスパンが長く、Bリーグでは簡単に通るパスも通らない。
    対人DFでもリーチを活かしてボールに激しいプレッシャーをかけてくる。
    スピードや緩急で抜いても、歩幅が長くすぐに追いついてくる。
  • ディフェンス
    バックコートから激しいプレッシャーをかけてくる。
    手を使うこともあるが、身体を当ててフィジカルで削ってくるタイプ。
  • オフェンス
    ノーマークの3Pシュートは確率良く決めてくる。
    スピード感のあるオフェンス故に速攻時のターンオーバーもあったが、全体的にミスが少ない。

 

キングス

  • シュートタッチ…
    長時間移動やボールがモルテン製ではなかったことも影響した可能性もあるが、3P%30%割れ、FT%60%台は厳しい。
  • リバウンド
    (総数40-46で)思ったより善戦。サイズで劣る分、ボックスアウトの徹底やリバウンドへの意識は高かったと思うが、ボックスアウトの上から腕が伸びてきてORを拾われるシーンも。
    リバウンド争いで「弾いて獲る」場面も。
  • 前半
    オフェンスは、SEMの長さとフィジカルの強さに押され、思うようにクリエイトできない時間が続いた。シュート精度も悪く、セカンドチャンスが得点に結びつくことも少なかった。
    ディフェンスでは、ローテーションミス、練度不足が目立ち、SEMにオープンをつくられ失点することが多く、外れた場合もオフェンスリバウンドを拾われる。
  • 後半
    SEMの強度に慣れたのか、前半よりも落ち着いて組み立てることができ、個々の長所が発揮される場面もあったが、前半に背負ったビハインドとシュート成功率に泣いた。

 

#2 小針幸也

激しいプレッシャーをかわしながら、ボールキャリー。
昌原LG戦同様、スピードを活かしたドライブから味方への合わせもあった。
2ndガードとして安心感を感じられる。

 

#4 ヴィック・ロー

コンディション、シュートタッチどちらもこれから。
ドライブ時にSEMのフィジカルなDFに対して押し負け、厳しい体勢を強いられるシーンも。
序盤に足を気にするシーンもあり、開幕前からコンディションに不安。

 

#8 佐土原遼

前半は、昌原LG戦に比べ、ボールタッチも少なく、オフェンスでは起点になれなかったが、後半は、自身より高さのある相手に対して、ポストアップから得点するなど、”佐土原らしさ”も出た。
スティールへの嗅覚は素晴らしいが、ポンプフェイクに飛んでしまうのは課題。

▶ポストアップからの得点シーン

 

#10 荒川颯

前半は、出場選手の中で1番最後に起用も限られた時間で、積極的に得点を狙っており、昌原LG戦同様、マイクロウェーブスコアラーになれそうなワクワクを感じた。
後半は、SEMのプレッシャーに圧され、ターンオーバーする場面もあったが、リバウンドに積極的に飛び込み、弾くなど、サイズで劣るなりの工夫もあった。

 

#12 ケヴェ・アルマ

フリースローをエアボールするアルマは初めて見た。
試合を通してオフェンスでズレやミスマッチの発生が少なかったことで、アルマの得意なクローズアウトに対するカウンタードライブや3Pは光らなかった。

 

#14 岸本隆一

試合勘もシュートタッチもこれから。
3P成功は1本だったが、ドリブルやステップワークでなんとかズレを生み出し、3PAにつなげていた。

 

#15 松脇圭志

2番/3番ポジションとして高さでは劣るが、フィジカルの強さでは負けていない。
3P成功や(外れはしたが)ドライブからのターンアラウンドジャンパーなど、オフェンス面で積極性を感じた。

▶テイクチャージ成功シーン

 

#17 崎濱秀斗

4Qのパフォーマンスは圧巻だった。
1試合を通して、チームが1番落ち着き、戦えていた時間帯を作った立役者。
昌原LG戦で気になった球離れの悪さも改善し、パスorシュートの状況判断も素晴らしい。
SEMのサイズと強度のある選手に対しても、臆せず仕掛けて決めきるのは流石。
現状、2ndガード争いだが、このパフォーマンスを続ければスタートも狙えるはず。

▶and1シーン

 

#18 脇真大

前半は、オフェンスで起点になることも少なかったが、後半は、持ち前の強心臓でブロックを恐れずドライブを仕掛け、得点orファウルドローンが見られ、”脇らしさ”を感じた。

 

#34 小野寺祥太

崎濱と同時出場した4Qでは、常にコート上のバランスやスペーシングを見て動いているのが伝わった。3Pシュートも決まり、昌原LG戦で感じた不安感を解消。

▶小野寺の動きが崎濱の3Pを演出したシーン

 

#45 ジャック・クーリー

今季初実戦だったが、体は仕上がっていそう。
”クーリーらしさ”と言えばそうだが、リング下ポロポロは勿体ない。
佐土原とのPnRやポストでの合わせはスムーズで、スペーシングや相性も悪い感じはしない。

 

#53 アレックス・カーク

カークのフリースローホイホイがバイオレーションになったのは納得いかない←
身体が重たそうで、コンディションもこれから。

 

DNP

ウィタカケンタ
平良彰吾

せっかくの海外遠征だから、DNPは勿体無く感じてしまう。

 

まとめ

オーストラリア遠征の1戦目は惜しくも敗れてしまったが、この時期にこれだけの強度を持つ相手と戦えたこと自体が幸運だった。勝ち負け以上に得られるものがあり、その一つが崎濱の活躍だったと思う。

次戦の相手は、NBLの強豪 Perth Wildcats。ローの古巣でもある。
SEM戦で得た課題と収穫をぶつけて、実りある試合にしてほしい。

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