クリスマスイブの夜。
キングスは川崎ブレイブサンダースとの一戦に勝利し、勝利という名のクリスマスプレゼントをファンに届けることができるのか…
富山戦の観戦メモ


試合前メモ

試合結果
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | F | |
| 琉球 | 23 | 22 | 17 | 28 | 90 |
| 川崎 | 21 | 22 | 22 | 31 | 96 |
| 3FG% | FBP | PITP | SCP | BP | |
| 琉球 | 32.1% | 9 | 40 | 17 | 43 |
| 川崎 | 53.6% | 6 | 36 | 4 | 27 |
データ引用元
りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 B1リーグ戦 2025/12/24 琉球 VS 川崎 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイトB.LEAGUEの「試合情報詳細」をご紹介。男子プロバスケットボールリーグ、B.LEAGUE(Bリーグ)。
FBP:ファストブレイクポイント(速攻による得点)
PITP:ペイントエリア内での得点
SCP:セカンドチャンスによる得点(オフェンスリバウンド後の得点)
BP:ベンチから出場した選手による得点
観戦メモ
キングス
- ベンチ登録
エースのヴィック・ローは前節に引き続きコンディション不良でベンチ外。ウィタカケンタもベンチ登録を外れ、古巣対戦の小針幸也、U22枠の佐取龍之介(今季初)がベンチ入りとなった。
しかし、小針のプレータイムはこの試合もなく、佐取も緊迫した試合展開だったため出場機会をもらうことができなかった。佐取についてはU22枠で、これまでも通常の12名とは別枠で登録できたはずだが、この試合が初のベンチ登録。なぜこのタイミングになったのか知りたいし、今後もベンチ登録がなされるかは注目しておきたい。 - 越えられない壁
試合前メモでは、キングスが勝利するために1Qで主導権を握ることが重要、3Qをリードして終える必要があるという旨を書いたが、この試合では1Qリードしたものの、3Qで3点のビハインドを背負ってしまい、そのまま敗戦。今季の3Q終了時ビハインドだった場合の敗戦傾向がその通りに出た試合だった。(沖縄アリーナで4Q相手の得点が増える傾向も…)
ビハインドスタートの4Qの戦い方、どのようにしてリードして3Qを終えるかがキングスにとって越えなければならない壁だろう。 - 選手起用の柔軟性
大前提として、どの選手をどのタイミングで起用するかはHCの専決事項であり、ファンやメディアが何を言おうと、それは”たられば””素人の戯言”でしかない。その前提を踏まえたうえで、この試合での川崎の篠山への対処が後手になったことに触れておきたい。
試合前半は川崎のピックに対して、ビッグマンが前に出るショウディフェンスをしていたキングスだが、リスティッチにPop3Pをやられたこと、3線目の連携がイマイチだったことから、後半はドロップに変更。結果的に、このドロップへの変更が篠山のプルアップ3Pに繋がったと言えるだろう。
ショウ、ドロップの判断もそうだが、篠山がOn Fireになった時点でディフェンスマッチアップの変更、例えば平良彰吾を短時間のスポット起用など、篠山の消火を試みる選手起用の柔軟性が見られなかったのは残念である。
川崎
- 本当に5勝しかしてなかったのか…
今季の川崎は試合前の時点で5勝20敗、1試合の平均得点74.2得点でリーグでも下位のチームだったが、この試合の川崎はキングスに90得点を許したものの、それを上回る96得点を挙げ、オフェンスの組み立ても、キングスの穴を突く素晴らしいものだった。
今季6勝目を挙げ、チームも上向きつつある川崎。勝久ジェフリーHCのもと、目指すバスケットボールが更に浸透し、西地区の上位にも喰らいつくことを期待したい。 - ロスコ・アレン
4Q開始時点ではわずか1得点で、オフェンスでもあまりクリエイトしていなかった印象があるロスコ・アレンだが、4Qの勝負所で、キングスのメンタルを削る3Pシュートを2本沈めた。ロスコ・アレンはスコアリング能力に長けている選手で、今季も平均14.4得点(試合前)を挙げていたので、1試合でFGAが6本しかないのは少ないように思う。ローを欠いたキングスにとって、ロスコ・アレンを抑えることは重要だった(他の選手にやられてしまったが)ので、9点に抑えたのは上出来と言えるのかもしれない。 - 3Pの雨が降った4Q
今季3FG%が高いチームではない川崎が、試合を通して53.6%で3Pシュートを決め切り、4Qに限れば9本中6本成功(75.0%)で沈めてきたのは、キツイ誤算だった。
アシスト27個が示すように、チームとしてオフェンスをクリエイトできたこと、インサイド一辺倒、アウトサイド一辺倒にならず、バランス良く内外に散らし、打つべき人が打ち切った結果だろう。
前述した通り、もう少しロスコ・アレンにボールを集めても良いとは思うが、チームで攻める形も悪くない。
Game Best 5 & MVP
この試合のMVPとBest 5を主観に基づく、独断と偏見で勝手に選出。スタッツ上の数字だけでなく、ルーズボールやディフェンス、流れを呼び寄せるプレーなどスタッツに残らないプレーも評価。
脇真大
脇に対してはピックは不要。その言葉通り、この試合ではピックをもらってからのドライブではなく、1on1、トランジション、オフボールムーブの中で得意なドライブorファウルドローンを何本も成功させていた。苦手としていたフリースローも7本中6本成功させ、沖縄アリーナはどよめいていたが、これからも安定した活躍、成功確率を残して、沖縄アリーナがどよめかなくなることを期待したい。
脇のパフォーマンス的に、4Q勝負所で起用しても良いと思ったが、アウトサイドシュートは厳しいものがあるため、カークーリーとの併用を避けて起用されなかったのだと思う。
岸本隆一
岸本と川崎は相性が良く、これまでのBリーグ10年間19試合の対戦で1試合平均13.2得点、3FG%41.7%、Bリーグ最多得点、最多3FGMを記録しており、この試合でも1Qだけで12得点を挙げ、川崎との相性の良さを示していた。しかし、1Q途中のレイアップ後の着地の部分で肘を気にするような仕草を見せたり、3Qでは自ら交代を願い出る場面もあった。
ローの欠場後、クリエイター不足感は否めず、岸本にかかる負担が大きくなっているだけに、脇や崎濱、小針、平良彰吾などには、岸本を安心して休ませられるような安定したパフォーマンスを期待したい。
荒川颯
4Qの篠山のプルアップ3P被弾時のマッチアップは荒川で、シーズン序盤から時折、出てしまうピックディフェンスの課題が見られたが、前半は思い切りの良い3Pシュート、激しい対人ディフェンスでチームに勢いをもたらしていた。4Qの勝負所で起用されたのは、桶谷HCの信頼を得たということでもあり、今後はその信頼を失わないようなプレーを期待したい。
エマニュエル・テリー
テリーは派手なプレーや、スコアリング能力が突出している選手ではないため、シーズン序盤は物足りなさを感じる人も多かっただろうが、徐々にチームにフィットして(直近では島根戦で21得点)、この試合では15得点、7リバウンド、2スティール、1ブロックの活躍だった。特にブロックは4Q勝負所でキングスが流れを掴みかけた場面だったので、あのブロックさえなければキングスがそのまま同点・逆転の展開に持っていけたかもしれない。
何より、泥臭いプレーも嫌わずにしてくれるのは若手の多いチームにとって良い影響を与えそう。
[MVP]篠山竜青
Best5を川崎から2人、敗れたキングスから3名選ぶ異様な選出だが、この試合は篠山竜青が川崎ブレイブサンダースを勝利に導いたと言える試合だった。
25得点、13アシスト、2スティールは見事しか言いようがない。4ファウル目を犯してから、ファウルアウトすることなく、4Qはフル出場し、4Qだけで3Pシュート3本含むFG%100%の15得点。まさに勝利を届ける篠山サンタだった。
川崎には岡田大河、米須玲音など将来有望な若手PGが揃っており、篠山のバスケットボールに向き合う姿勢、個とチームプレーの使い分けなどは大いに参考になり、成長につながるだろう。(この試合で岡田はパスファーストになっている感も否めなかったので、点を狙うときは狙うなど、篠山を良いお手本にしてほしい。)
次戦に向けて
キングスファンに勝利という名のクリスマスプレゼントを届けられなかったキングス。
思うように勝てないチームに対して、ファンもフラストレーションを溜めてしまっているが、強い言葉を投げつけて溜飲を下げるのではなく、こんなときだからこそ、一緒に耐えて、我慢して、この時期があったから強くなれたと言えるようにチームを支えるべきなのではないだろうか。
昨季のキングスは天皇杯優勝後からチームが劇的に変わった。
今季はまだ時間がある。一歩一歩着実に前に進んでいこう。


