前評判とは異なり苦しんでいる両チーム
富山グラウジーズとの水曜ゲームに勝利し、11月は3戦負けなしの琉球ゴールデンキングスだが、シーズン成績は8勝5敗と前評判通りの成績とはなっていない。
今節の対戦相手・三遠ネオフェニックスも同様に、主力選手の怪我で思うように選手が揃わず、6勝7敗と負け越している現状である。
地区上位に浮上するため、今後のリーグ戦を優位に進めるためにも負けられない一戦。Game1を勝利するのはどちらのチームか…
富山戦の観戦メモ

試合前メモ
キングス
- 岸本隆一
昨季の岸本は、怪我の影響により、一番大事なチャンピオンシップでプレーすることができなかった。”松脇の神の右手”に代表されるように、昨季のキングスvs三遠では、最後までどちらが勝つかわからない熱い試合が展開されていた。昨季はプレーできず、ベンチで試合を見守っていた岸本が、コート上でどのようなプレーで気持ちを表現するのか見物である。 - セカンドユニット
三河戦や越谷戦では、セカンドユニットの時間帯が良かったが、前節の富山戦では、スターターが試合を作った一方で、セカンドユニットの時間帯はリードが縮まる展開となってしまった。
今季の三遠は苦しんでいるとはいえ、楽に勝てる相手ではない。セカンドユニットが、如何に試合を繋げるかが勝敗を分けそうだ。
三遠
- 怪我人続出
昨季の中地区優勝クラブでもある三遠は、今季開幕前には、キングスとともに西地区のトップを争うチームだと注目されていたが、今季は、外国籍選手の怪我が続き思うように勝ち星を積み上げられていない。
メイテンやデイズが離脱中は、スティーブ・ザックやジョーダン・ダラスが代わりとして加入しているが、キングスのインサイド陣相手に、どの程度のパフォーマンスを残すのか注目である。(特にB1初挑戦のダラス) - ヌワバ対策
昨季三遠に加入し、ベスト5を受賞したヌワバは、今季もここまで平均20.3得点、8.1リバウンド、4.4アシストと素晴らしい成績を残している。昨季のチャンピオンシップでは、ヌワバに対して松脇やローがマッチアップする時間帯が多かったため、この試合でも2人がヌワバとマッチアップすると思われる。
ヌワバは直近7試合で30分以上、うち4試合で34分以上出場しており、体力的な面ではキツイはずだ。ディフェンスではヌワバにストレスを与え、オフェンスでは、ヌワバをターゲットとすることで、運動量を増やし、ヌワバのクオリティを落とさせることができるのではないだろうか。
試合結果
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | F | |
| 琉球 | 23 | 25 | 21 | 23 | 92 |
| 三遠 | 17 | 17 | 16 | 19 | 69 |
| 3FG% | FBP | PITP | SCP | BP | |
| 琉球 | 45.2% | 10 | 24 | 14 | 31 |
| 三遠 | 37.9% | 8 | 32 | 20 | 11 |
データ引用元
りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 B1リーグ戦 2025/11/08 三遠 VS 琉球 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイトB.LEAGUEの「試合情報詳細」をご紹介。男子プロバスケットボールリーグ、B.LEAGUE(Bリーグ)。
FBP:ファストブレイクポイント(速攻による得点)
PITP:ペイントエリア内での得点
SCP:セカンドチャンスによる得点(オフェンスリバウンド後の得点)
BP:ベンチから出場した選手による得点
観戦メモ
キングス
- 大当たりの3P
三遠はゾーンディフェンスなど、頻繁にディフェンスを変化させてきたが、3Pシュートが45.2%と高確率で決まったことは、三遠のディフェンス判断を難しくさせただろう。3Pシュートが高確率で決まるため、三遠のディフェンスが広がらざるをえなく、ドライブアタックやポストなど、的を絞らせないオフェンスが展開できた。 - 得点者7名
この試合は92得点と得点が伸び、5選手が2桁得点を挙げた一方で、試合を通して得点を挙げた選手は7選手だった。7選手という選手数自体は特別少ないということはないが、小針、荒川、崎濱、小野寺の4名で0点というのは、寂しさを感じるところだ。
Game2では、松脇やローといったGame1で活躍した選手のマークは厳しくなると予想されるため、この試合無得点だった選手の活躍も必要になってくる。 - オフェンスリバウンドを与えすぎた反省
この試合では、リバウンドへの意識が低かったということはなく、むしろティップアウトなど、日本人選手も積極的にリバウンドに絡んでいた印象だが、試合を通して三遠に22本のオフェンスリバウンドを与え、セカンドチャンスで20得点を挙げられたのは、Game2に向けての修正点だろう。
弾いたボールがどちらにこぼれるかは、運次第のところもあるが、球際やルーズボールには、より積極的に絡みたい。そして、仮に三遠にオフェンスリバウンドを獲られても、セカンドチャンスポイントを与えないように守り切りたい。
三遠
- ヌワバ、ヌワバ、ヌワバ
前半は3得点と抑えられていたヌワバだが、3Q以降はキングスディフェンスの僅かな隙を突き、ドライブアタックを中心に得点を重ね、結果的には19得点を挙げた。キングスのインサイド陣(カーク、クーリー)がリング下に陣取っていると、ドライブのフィニッシュはタフショットになるが、河田やザックが、ピックを掛けたり、ペイントの高い位置(ハイポスト)付近に居たことで、カークやクーリーを外に引き出し、1v1のドライブアタックからの得点を量産していた。 - 怪我人の穴は大きい
三遠はメイテン、デイズという外国籍選手2人と、司令塔である佐々木を怪我で欠いており、この試合では、佐々木の抜けた穴の大きさを感じた。佐々木が健康体であれば、大浦がベンチに下がっても、佐々木がコート上にいて、試合をコントロールできるが、現状は大浦がベンチの時間帯はクリエイト力が乏しく、ヌワバにかかる負担が大きくなってしまう。
実際、試合を通してTOVを15個(ヌワバ4個、大浦2個)犯してしまっている。 - ザックが別人
スティーブ・ザックとは、A東京時代から何度か対戦してきたが、その時のイメージは、ファンブルが多く、リング下のシュートをポロポロ落とすというものだった。しかし、三遠加入後のザックは、インサイドで身体を張り、リバウンドを確保し、リング下で決め切る強さがある。この試合でも13得点、11リバウンドの活躍で、キングスが22本もオフェンスリバウンドを獲られた要因の一つだろう。
Game Best 5 & MVP
この試合のMVPとBest 5を主観に基づく、独断と偏見で勝手に選出。スタッツ上の数字だけでなく、ルーズボールやディフェンス、流れを呼び寄せるプレーなどスタッツに残らないプレーも評価。
小野寺祥太
得点は0点だが、ディフェンス面での活躍を評価したい。大浦にプレッシャーをかけ続け、気持ちの良いプレーをほとんどさせていなかった。+/-でも0点ながらチーム3番手の+18。
また、ルーズボールへの飛び込みでボールを残し、松脇の5本目の3Pシュートを演出したのは、チームのあるべき姿をキャプテン自ら体現したプレーだったと思う。
岸本隆一
昨季のチャンピオンシップで出られなかった悔しさをぶつけるかのような、試合開始直後の3Pシュートによる得点。ディフェンスを変化させてくる三遠に対して落ち着いて対応できていたように思う。
特に、リング下を一周してからのシュート(ファウルドローン)や細かいドリブルからのステップバック3Pシュートなど、岸本の巧さが出たプレーが印象的だった。
佐土原遼
シーズン序盤は佐土原のフィットが課題だったが、11月に入り、徐々にフィット感が高まってきたように思える。この試合でもバックカットからの得点や、ドライブアタック、3Pシュートなど、”佐土原らしさ”が出ていた。
また、ディフェンスでは一時的にヌワバともマッチアップしていたが、強靭な身体を持つヌワバに対して当たり負けをしなかったのは、今後の自信となるだろう。
ヴィック・ロー
ヌワバとマッチアップして、3Pシュートを極力許さないディフェンスが徹底されていたと思う。(最終盤に1本決められたが)
ヌワバとのマッチアップがある中、オフェンスでは三遠のディフェンスお構いなしに得点を挙げ、ゲームハイの23得点。リバウンド7本、アシスト7本とオールラウンドの活躍。まさに”理不尽ロー”といった圧巻のプレーだった。
[MVP]松脇圭志
越谷戦Game2、富山戦に続いて3Pシュートのタッチが良く、前半で6本、後半に1本の計7本を沈めた。直近3試合の3FG%は72.7%(16/22)と、超超超高確率。
この試合では、3Pシュートの調子がよく、3Pシュートだけに注目されそうだが、リバウンドへの参加(ティップアウト)やスティールも3本記録しており、ディフェンス面でも大活躍だった。
これまで、松脇は”波があるシューター”と常々言ってきたが、明日のGame2でも大爆発して、”安定感のあるシューター”と考えを改めさせるような活躍を期待したい。
次戦に向けて
怪我人が多く、苦しい状況の三遠だが、怪我人が戻ってきた後の怖さは、どのチームよりもある。
キングスは、三遠と4月にもホームで2連戦があるので、今節Game2も勝利して、2勝0敗と直接対決を有利にしておきたい。
Game2の三遠は、ホームで2連敗を避けるべく、全力で戦ってくるはず。
キングスは、受け身にならず、挑戦者のマインドで挑みたい。


