ある日、たまたまYouTubeを見ていたら、NBA系YouTuberのニコラス武さんの動画「【NBA】一年で最も勝率を上げたチームTOP10」に巡り合いました。
Bリーグは今季で10年目、現行B1も今季限りですし、個人的にも気になったことなので、備忘録を兼ねて今回は、Bリーグ版の「一年で最も勝率を上げたクラブTOP10」をまとめてみたいと思います。
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データ出典:https://www.bleague.jp/standings/
10位 琉球(17-18)
前年比+.217
| 順位 | 勝 | 敗 | 勝率 | |
| 16-17 | 西2 | 29 | 31 | .483 |
| 17-18 | 西1 | 42 | 18 | .700 |
| 比 | +1 | +13 | -13 | +.217 |
主な出来事
2017年オフに、アンソニー・マクヘンリー、山内盛久などの長年チームを支えた選手を含む8選手が退団し、伊佐勉HCも退任。後任には佐々宜央氏が就任し、古川孝敏、アイラブラウンなど、当時の日本代表選手を含む7選手が加入。
佐々HC仕込みのディフェンス力を武器に平均失点はリーグ最少を記録。最長11連勝を含む、5連勝を4度達成し、前年は叶わなかったA東京や栃木、川崎からも勝ち星を掴んだ。
9位 富山(20-21)
前年比+.235
| 順位 | 勝 | 敗 | 勝率 | |
| 19-20 | 中3 | 17 | 24 | .415 |
| 20-21 | 東4 | 39 | 21 | .650 |
| 比 | – | +22 | -3 | +.235 |
主な出来事
前年の19-20シーズンは、新型コロナウイルス感染症によりリーグ中止。
2020年オフには、京都で指揮を執っていた浜口炎氏がHCに就任し、同じく京都からジュリアン・マブンガが加入。浜口HC、マブンガと京都で共に過ごしたジョシュア・スミスも残留した。シーズンでは、リーグトップの得点力を武器に、三河から加入した岡田侑大やルーキーシーズンの松脇圭志、前年新人賞受賞の前田悟の若手三銃士も伸び伸びとプレーし、前年から大きく勝ち星を伸ばした。
8位 栃木(18-19)
前年比+.250
| 順位 | 勝 | 敗 | 勝率 | |
| 17-18 | 東4 | 34 | 26 | .567 |
| 18-19 | 東2 | 49 | 11 | .817 |
| 比 | +2 | +15 | -15 | +.250 |
主な出来事
前年の17-18シーズンは、優勝直後のオフにHCや優勝を支えたベンチメンバーが大量退団したこともあり序盤に低迷。シーズン途中でのHC交代やジェフ・ギブスの復帰によって、なんとかチャンピオンシップ出場にこぎつけた。18年のオフには、三河のエース・比江島慎の獲得し、オーストラリア挑戦を経て、シーズン中盤に宇都宮デビューを果たした。また、攻守ともにリーグトップ3に入りの実力で、シーズンを通して1度も連敗がなかった。
7位 大阪(19-20)
前年比+.251
| 順位 | 勝 | 敗 | 勝率 | |
| 18-19 | 西4 | 23 | 37 | .383 |
| 19-20 | 西2 | 26 | 15 | .634 |
| 比 | +2 | +3 | -22 | +.251 |
主な出来事
19年オフに穂坂健祐HCが退任し、bjリーグ時代に大阪を3連覇に導いた実績のある天日謙作氏がHCに就任。選手では、京都から伊藤達哉、琉球からアイラブラウン、リバウンドが強いショーン・オマラ、器用なリチャード・ヘンドリックスなどを獲得する補強を行った。このシーズンは、西地区優勝の琉球にもシーズン成績2勝1敗と勝ち越しており、新型コロナウイルス感染症による試合中止やシーズン中止がなければ、Bリーグでは初となる地区優勝も狙える位置であった。
6位 島根(21-22)
前年比+.260
| 順位 | 勝 | 敗 | 勝率 | |
| 20-21 | 西5 | 28 | 32 | .467 |
| 21-22 | 西2 | 40 | 15 | .727 |
| 比 | +3 | +12 | -17 | +.260 |
主な出来事
20-21シーズンは、デモン・ブルックス(琉球)や、ペリン・ビュフォード、リード・トラビス、ウィリアムスニカを獲得し、わずか11勝に終わった前年からの逆襲目指したが、10月(第5節)で、外国籍2名を欠き、ジャック・クーリー1名の琉球に最大リード10点を逆転され敗戦。直後の10月末日に鈴木裕紀HCが退任し、後任には、河合竜児氏が就任。シーズン中盤には、8連敗も喫したが、徐々にペリン・ビュフォードがチームにフィットし、終盤には8連勝を達成し、良い状態でシーズンを終えた。
21年オフには、HCにポール・ヘナレ氏が就任、A東京で連覇経験のある安藤誓哉や、リーグ最高のシューター金丸晃輔、オーストラリア代表のニック・ケイを獲得するなど、大型補強を行った。シーズンでは、主力選手を多用するスタイルで、最長9連勝を含む2度の8連勝を記録、勝ち星を40勝に積み上げ、クラブ初のチャンピオンシップ出場を決めた。チャンピオンシップでは、SFで琉球と対戦し、Game1、Game2ともに序盤はリードする展開だったものの、終盤に捲られ、Game2では、ドウェイン・エバンスにブザービーターを沈められ、2連敗でシーズンを終えた。
5位 京都(24-25)
前年比+.267
| 順位 | 勝 | 敗 | 勝率 | |
| 23-24 | 西8 | 17 | 43 | .283 |
| 24-25 | 西3 | 33 | 27 | .550 |
| 比 | +5 | +16 | -16 | +.267 |
主な出来事
23-24シーズンは、ケビン・ジョーンズや、チャールズ・ジャクソンなどBリーグで実績を残している外国籍選手を擁したが、同地区の西地区クラブ相手に勝ち星(わずか7勝)を積み上げることができず、9連敗を喫する時期もあるなど苦しいシーズンだった。24-25シーズンは、オフに守備の要ジョーダン・ヒースや、スコアリングに長けたアンジェロ・カロイアロを獲得したことで、攻守のチームスタッツが改善。日本人エースの岡田侑大もリーグ日本人2位の平均得点を挙げる活躍を残し、18-19シーズン以来の勝率五割を記録した。
4位 新潟(18-19)
前年比+.283
| 順位 | 勝 | 敗 | 勝率 | |
| 17-18 | 中3 | 28 | 32 | .467 |
| 18-19 | 中1 | 45 | 15 | .750 |
| 比 | +2 | +17 | -17 | +.283 |
主な出来事
チームのエースガードである五十嵐圭の残留に加えて、経験豊富なベテラン柏木真介を獲得。得点源であり大黒柱ダバンテ・ガードナー、前年途中加入したラモント・ハミルトンの胸板厚々コンビの残留にも成功し、シーズンでは、この4人が1試合平均27分以上出場するなど、主力選手に多くの時間を割いた采配が結果につながった。ガードナーは1試合平均27.6得点を記録し得点王を獲得。チームはリーグ全体2位となり、チャンピオンシップをホームで開催したが、その年の優勝クラブ、ワイルドカードのA東京に敗れQFでシーズンを終えた。
3位 宇都宮(23-24)
前年比+.317
| 順位 | 勝 | 敗 | 勝率 | |
| 22-23 | 東3 | 32 | 28 | .533 |
| 23-24 | 東1 | 51 | 9 | .850 |
| 比 | +2 | +19 | -19 | +.317 |
主な出来事
2021-22シーズンに2度目の優勝を果たしたが、1度目の優勝直後のオフ同様、優勝に貢献した選手(チェイス・フィーラー、テーブス海など)と安齋竜三HCが退任。22-23シーズンは、佐々宜央氏が後任となり、選手ではジュリアン・マブンガを獲得した。しかし、マブンガはコンディションが上がっておらず、フィットも良くなかったため、シーズン序盤で契約解除。テーブスが抜けて空いた控えPGの穴を埋めることにも苦労した。また、残留したスコットやフォトゥもスタッツを落としたことが、勝率を押し下げた要因だろう。
そのため、2023年のオフには、リーグ随一の外国籍ハンドラーであるディージェイ・ニュービル(大阪)や強力な帰化選手であるギャビン・エドワーズ(千葉J)を獲得する大型補強を実施。戦術面では、3Pシュートとディフェンスに重きを置き、3Pシュートはリーグ1位の3PA、3PMを記録(成功率3位)、ディフェンスではリーグで唯一の平均失点60点台を達成した。
チャンピオンシップでは、全体1位としてホームに千葉ジェッツを迎え、激戦を繰り広げたが、第3戦に敗れ、QF敗退でシーズンを終えた。
2位 広島(21-22)
前年比+.345
| 順位 | 勝 | 敗 | 勝率 | |
| 20-21 | 西10 | 9 | 46 | .164 |
| 21-22 | 西6 | 29 | 28 | .509 |
| 比 | +4 | +20 | -18 | +.345 |
主な出来事
B1初参戦となった20-21シーズンは、B1の強度に対応できず、平均失点はリーグワースト2位、平均TOVリーグワーストを記録。シーズン途中には、最長17連敗を含む3度の8連敗を喫し、リーグ全体最下位委に沈んだ。逆襲に燃える21-22シーズンは、オフに、岡崎修司氏がGMに就任し、前年得点王のニック・メイヨやお祭り男の辻直人、B1で実績を残していたチャールズ・ジャクソンを獲得するなど積極的な補強を行った。また、HCには横浜BCを指揮していたカイル・ミリング氏を招聘し、改善必須だったチームディフェンスの構築を図った。シーズンでは、開幕3連勝とスタートダッシュに成功、途中6連敗もあったが、着実に勝ちを拾い、クラブ初のB1勝率五割を達成した。
このシーズンを通して、ミリングHCの目指すバスケットボールをチームに浸透させ、基礎を築いたことが、翌22-23シーズンのチャンピオンシップ出場、翌々年のチャンピオンシップ制覇につながったことは間違いない。
1位 三遠(23-24)
前年比+.384
| 順位 | 勝 | 敗 | 勝率 | |
| 22-23 | 中6 | 23 | 37 | .383 |
| 23-24 | 中1 | 46 | 14 | .767 |
| 比 | +5 | +23 | -23 | +.384 |
主な出来事
Bリーグ2年目以降、勝率5割を下回るシーズンが続いていた三遠は、22年オフに千葉Jから大野篤史氏をHCに招聘。古豪復活へチーム改革をスタートさせた。大野HC1年目の22-23シーズンは、外国籍選手を中心に選手の離脱が相次いだことや、ハンドラー選手層の薄さが要因となり、中地区6位に沈んだが、23年のオフには名古屋Dからコティ・クラーク、秋田から大浦颯太を獲得。前年苦しんだ外国籍選手の負傷離脱に悩まされることもなくなり、加入した大浦颯太も才能が開花。佐々木隆成と大浦の強力ガードコンビを中心に、攻撃的なバスケを展開。2位を5点近く離したリーグ1位の平均得点が示すように、圧倒的な得点力で22-23シーズンから勝ち星を倍増させた。
クラブとしてBリーグ初の地区優勝を果たし、Bリーグ1年目以来のチャンピオンシップに出場したが、その年の優勝クラブ、広島にスイープされ、QF敗退でシーズンを終えた。
おわりに
全クラブのB1勝率をシートにまとめて、改めて思ったのが、優勝した次のシーズンの宇都宮ブレックスは、苦戦しがちということ。
Bリーグ10年間で、30クラブがB1の舞台で戦いましたが、1年でB2にUターンするクラブも少なくないことからも、B1に定着、B1で常勝クラブになる難しさがわかります。
時間があれば、今回とは逆の「一年で最も勝率を下げたクラブTOP10」(これまた動画からインスピレーションを受けた内容)も作成したいと思っているので、もしよければ、また見に来てください。


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